マーク・矢崎の開運ライフ

「開運ライフ」とは・・・

日本人は昔から、その季節や一年の出来事のそのたびに、運命を開くおまじないをしていました。
それが年中行事やお節句となって今日に伝わり、今でも様々な形で幸運を引き寄せる、縁起担ぎのおまじないとして伝わっているのです。

このマーク・矢崎の開運ライフは、そんな今日に伝わる様々な、幸運を引き寄せるおまじないを紹介しながら、みなさまの未来や人生を幸運へと導く、開運ライプを提案するものです。

さあマークと一緒におまじないを生活の中に取り入れて、幸せな開運ライフを始めましょう。

~雪うさぎが食べるのは、人の辛さや悲しみ……~

暦の上ではもう立春を迎えますが、昨年来強い寒波が相次いで来襲し、東北などに記録的な大雪をもたらしています。

さて、雪というと、思い出すのは子供の頃の雪遊びです。

いつもは布団からなかなか出たがらなかった私。
でも、目覚めたとき、雪の反射で部屋がふだんより明るくなっていて、外からシャリシャリシャリとチェーンをつけた車の走る音が聞こえると、寒さも忘れて朝食もそこそこに、早めに学校へ向かったものです。

学校には雪に浮かれて普段より早く登校をしてきた友達がたくさんいて、もう雪だるま作りや雪合戦が始まっています。

先生もそこは心得たもの。
朝のホームルームの時間をそのまま雪遊びの時間にしてくれたり、1時限目が体育だと授業そのものが雪合戦になったり……。
雪の日の思い出が、今でもいっぱい残っています。

中でもいちばん印象に残っているのは、母から聞いた雪うさぎの話です。

雪が積もると母は、小さな雪の塊を取ってきてお盆の上に載せて固めます。
そして細長い木の葉で長い耳、南天の赤い実で目を付けて、雪うさぎを作ってくれました。

私が雪うさぎのエサのつもりで庭の常緑樹の葉を取ってくると母は、
「雪うさぎは草や葉っぱは食べないの。雪うさぎが食べるのは、人の辛さや悲しみなのよ」
と教えてくれました。

そして辛いことや悲しいことがあったら、それを雪うさぎに話すと雪うさぎが食べてくれて、辛いことや悲しいことが溶けて消えてしまう、と話してくれたのです。
私は夢中で、学校の勉強が辛いことや、友達とのケンカなど、悲しいことを雪うさぎに話しかけました。

やがて雪が止み縁側に日が差し込んで、雪うさぎは溶けてしまいます。

少し悲しい気持ちで溶けた雪うさぎを見ていると
「雪のうさぎさんはあなたの辛さや悲しみを持って、お空に帰って行ったから、もう悪いことは起こらないからね」
と母。

でも今思うと、あの雪うさぎは私のためだけの雪うさぎではなく、母の辛さや悲しさも、きっと食べていたのだと思います。

もし、皆さんの街に雪が積もったら、お盆に小さな雪の塊を載せて、雪うさぎを作ってみませんか?
そして皆さんの辛いことや悲しいことを雪うさぎに話しかけて、全部食べさせてしまいましょう。

やがて雪うさぎが溶けて天に帰るとき、雪うさぎの食べた辛さや悲しさは、きっと解消されることでしょう。
今年も、あなたに幸せがいっぱい訪れますように!
チャオチャオ!
マークでした。

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マーク・矢崎治信:20歳で月刊少女誌『マイ バースデイ』(実業之日本社)におまじないや占いなどの連載を開始。『いにしえからの贈り物 お守り・厄除け・おまじない』(説話社)をはじめ著作多数。『毎日新聞』の占い欄ほか、ウェブサイト、携帯サイトの監修も多数。明治時代の実業家・易断家の高島嘉右衛門(たかしまかえもん)の玄孫(やしゃご)にあたる。2025年1月逝去。日本占術協会専務理事、日本占術協会認定占術士。

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