マーク・矢崎の開運ライフ ~お彼岸編~
日本人は昔から、その季節や一年の出来事のそのたびに、運命を開くおまじないをしていました。
それが年中行事やお節句となって今日に伝わり、今でも様々な形で幸運を引き寄せる、縁起担ぎのおまじないとして伝わっているのです。
このマーク・矢崎の開運ライフは、そんな今日に伝わる様々な、幸運を引き寄せるおまじないを紹介しながら、みなさまの未来や人生を幸運へと導く、開運ライプを提案するものです。
さあマークと一緒におまじないを生活の中に取り入れて、幸せな開運ライフを始めましょう。
お彼岸編
9月23日は秋分の日で、昼と夜の時間が同じになる特別な日です。
そしてこの日は太陽が真東から昇り、真西に沈む特別な日で、夏至や冬至と合せて、太陽や自然を神と崇める古代の山岳信仰や、その元となった中国の道教や陰陽五行の考え方では、とても大切な日だとされていました。
そのあたりの経緯は、開運ライフの春分の日編に詳しく書いたので、そちらも合せてご覧いただけると幸いです。
またこの日は春の春分の日と同じく、日本では仏様やご先祖様の住む極楽浄土と、我々が住む娑婆の世界を隔てる三途の川の水かさが減り、この世とあの世の距離が最も近づく特別な日とされていて、各地の寺院や墓苑では、彼岸会の法要やお墓参りなど、ご先祖様を供養する儀式や風習が執り行われます。
彼岸という言葉は仏教用語で、仏様や成仏した死者たちの住む極楽浄土の事で、それが転じて仏教の悟りを開く事を差します。それに対して我々の住む煩悩に溢れた娑婆の世界は此岸と言って、まだ悟りの開けていない苦行の途中を表すのです。
浮ばれない霊の供養で唱えられる般若心経は、この仏教の悟りを開く教えを説く経文で、その最後の部分には、悟りを開いて彼岸へ渡りましょうという内容が書かれていると言われます。
しかし本来の仏教では、この日にご先祖様を供養するような、儀式や風習は存在しません。もっと言ってしまうと春分の日や秋分の日にご先祖様の供養をする文化があるのは、この日本だけなのです。
では春と秋のお彼岸に、ご先祖様を供養する文化はどのようにして始まったのでしょうか?。
我国には森羅万象に神々が宿り、それらに守られながら我々は活かされているという考え方があり、我々も死ぬと自然の中に返って神々の中に加わると思われていました。
大和や飛鳥時代になるとその考え方と、大陸から渡来した人たちや、百済から派遣された五経博士によってもたらされた自然界を体系立てた陰陽五行の考え方とが習合されて、各地に修験道や山岳信仰が生れ、太陽の運行や季節の変化を神の御業と考えて、様々な儀式や風習が生れ、春と秋の昼と夜の時間が同じくなる春分の日と秋分の日に、森羅万象の神々や祖先の霊に感謝する儀式や風習を行なうようになったのです。
やがて中国から仏教がもたらされると、森羅万象の神々と仏教の仏様たちは習合されて、我国独自の文化や信仰の中に仏教の考え方が浸透していきました。そして大自然の中に返って我々を守るようになった祖先の霊たちを、仏教の悟りを開いて仏の世界に住む者として仏教用語の彼岸の者と言うようになり、祖霊を供養するこの日をお彼岸と呼ぶようになったと考えられます。
このお彼岸の行事は平安時代の宮中行事としても記録があり、現在でも皇室や伊勢神宮などの所縁の神社では神道の流儀に則って、春季・秋季の皇霊祭として、執り行われているのです。
お彼岸のおまじない
お彼岸にはやはりお墓参りでしょう。お墓に参って亡くなった人たちを思い出し、まだ見た事のない遠いご先祖様に思いを巡らせば、心は彼岸の祖霊と繋がって、此岸の私たちも守られます。
しかし彼岸は悟りを開いた人たちの世界。煩悩に汚れた此岸の我々とはほど遠い世界です。そこで行事食のおはぎを食べて、あんこの小豆の魔除けパワーで煩悩を浄化しましょう。
また、昇る朝日には運気や生命力を上げる力があるので、朝日に向かって手を合わせて遥拝しましょう。この時成りたい事などの願い事をすると成就できるかもしれません。
そして沈む夕日にはトラブルを鎮め心を癒す働きがあるので、夕日に向かって手を合わせて遥拝しながら、悩みや問題解決のお願いをすると、きっと物事が安泰します。
お墓が遠くて行けない方は、タンスの上など一段高い場所に写真や、○○家先祖代々と書いた紙を飾って、それに手を合せても効果がありますよ。
******************************************
20歳で月刊少女誌『マイ バースデイ』(実業之日本社)におまじないや占いなどの連載を開始。『いにしえからの贈り物 お守り・厄除け・おまじない』(説話社)をはじめ著作多数。『毎日新聞』の占い欄ほか、ウェブサイト、携帯サイトの監修も多数。明治時代の実業家・易断家の高島嘉右衛門(たかしまかえもん)の玄孫(やしゃご)にあたる。日本占術協会専務理事、日本占術協会認定占術士。
マーク・矢崎公式Twitter