マーク・矢崎の開運ライフ ~初午編~
日本人は昔から、その季節や一年の出来事のそのたびに、運命を開くおまじないをしていました。
それが年中行事やお節句となって今日に伝わり、今でも様々な形で幸運を引き寄せる、縁起担ぎのおまじないとして伝わっているのです。
このマーク・矢崎の開運ライフは、そんな今日に伝わる様々な、幸運を引き寄せるおまじないを紹介しながら、みなさまの未来や人生を幸運へと導く、開運ライプを提案するものです。
さあマークと一緒におまじないを生活の中に取り入れて、幸せな開運ライフを始めましょう。
~初午編~
♪おうまの祭りは初午祭り、おいなりさん、恵方へ、パックリパックリ食べる~
2月5日は初午の日。初午とは立春を過ぎた2月初めの午の日のことで、昨年の秋に豊作をもたらして山へと戻った田畑の神様が、山から田畑へ戻ってくる日だとされています。
この日は実は全国各地の稲荷神社のご縁日で、神馬と呼ばれる神社で飼われている神様の馬に、五色の布やたくさんの鈴をかけて飾って、里や田畑を練り歩くというお祭りが執り行われるのです。
稲荷神社なのに、なぜキツネじゃなくて午の日で、馬がメインのお祭りなのか。実は稲荷神社の稲荷というのは、稲の荷、つまり豊かに実ったお米や穀物をいっぱいに詰めた俵のことで、畑を耕す農作業や、実った作物の運搬に駆り出される馬への感謝やねぎらいを込めて初午祭りを行い、田畑の神に新しい年の耕作の安全と、豊作や五穀豊穣を願ったのがこの初午祭りの始まりだと言われています。
そしてこの日は馬だけでなく、里で暮らす人々のために飼われている、牛や鶏、犬や猫のような家畜や動物たちにも、その慰労や感謝をする日とされているので、かわいいペットを飼っているキミは、ペットの安全や無病息災のために、近くの稲荷神社へお参りに行くと良いでしょう。
稲荷神社とキツネの関係とは?
それでは稲荷神社とキツネの関係はというと、稲荷神社の神様は五穀豊穣をもたらす田畑の神様です。本来は山の神様なのだけど、里の人たちが田や畑のそばに桜の木を植えて、農耕を始める春になると山から田畑の神様をその桜の木にお迎えして祀ります。秋の収穫が終わると新嘗祭や収穫祭で神様に感謝した後、田畑の神様を山へ帰すという風習が行われていて、旧暦2月の桜がほころぶ頃、ネズミを追って山から里へ降り、そして収穫が終わりネズミがいなくなると、冬眠のため山へと戻るキツネの生態と、田畑の神様の風習との時期的な関連や、キツネが作物を荒らすネズミを退治することから、キツネは田畑の神様のお使いとされるようになったのです。
ちなみに桜は本来の名前を幸座(さちくら)と言い、五穀豊穣をもたらす幸せの神様が宿る座だからさちくら→さくらとなったと言われています。また馬はその顔立ちから水の神様の龍神のお使いとされて、田畑を潤す水が農耕には必要不可欠な事からも、稲荷神社と馬とは深い係わりがあるのでしょう。
初午の日の幸運を呼ぶ行事食は「おいなりさん」だって知っていましたか?
おいなりさんは稲荷神社のお使いのキツネの好物の油揚げに、五穀豊穣の象徴のご飯を詰めて俵をかたどった、新年の豊作を願う行事食です。関西ではキツネの耳に見立てた三角形のおいなりさんが主流ですが、田畑の神は本来は山の神様なので、おいなりさんの三角形は山を見立てた物なのかもしれません。
この日、行事食のおいなりさんを食べるとき、節分の恵方巻のように、新年の歳神様がいる恵方(今年は南南東)を向いて、願いを込めながら食べましょう。このとき、俵型のおいなりさんは五穀豊穣や開運招福、仕事の成功や商売繁盛のお願いに用いると、俵は富や豊かさの象徴なので効果があるでしょう。
また、三角形のおいなりさんは、キツネの耳をかたどったものなので、人間関係やコミュニケーションの安定、知恵や知識、技芸上達など自分自身の行いや才能を高めるお願いに効果があると思います。もちろん両方のおいなりさんを食べて、全ての幸運を願っても大丈夫。それと稲荷神社のご縁日は2月5日の初午の日だけでなく、2月17日も二の午の日と言ってご利益は同じなので、初午の日においなりさんを食べ損ねたら、二の午の日に挑戦すると良いでしょう。
それではキミも午の日の行事食のおいなりさんを食べて、富と幸せを引き寄せましょう!
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マーク・矢崎治信
20歳で月刊少女誌『マイ バースデイ』(実業之日本社)におまじないや占いなどの連載を開始。『いにしえからの贈り物 お守り・厄除け・おまじない』(説話社)をはじめ著作多数。『毎日新聞』の占い欄ほか、ウェブサイト、携帯サイトの監修も多数。明治時代の実業家・易断家の高島嘉右衛門(たかしまかえもん)の玄孫(やしゃご)にあたる。日本占術協会専務理事、日本占術協会認定占術士。
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