人間の感覚は「五感」どころか「十二感」ある!?

――前回のお話の「射手座=運動感覚」もそうですが、先生はこの頃、12星座を「12感覚」で説明されることが多いですよね。

松村潔先生:(以下松村)ルドルフ・シュタイナーの「12感覚論」ね。これだとサイン(星座)のイメージもだいぶ変わるよ。

――感覚って五感どころではなく、12もあるということに驚きました。

松村:五感だと数が少なすぎるよね。もう少し、精神性のレベルまで感覚に入れてしまうわけ。つまり、感じるもの、受け取るもの、すべてが感覚。そうすると「言語感覚」っていうのもある。他にも皆が持っている精神性とか、そういうのも感覚と考える。



松村:つまりこの感覚によって世界を認識しているということ。

――こうして見ると「感覚」って、意外と皆、ちゃんと使っていないかもしれないですね。しかも12もあるとなると、疎かになっている部分が結構ありそうです。逆に、こればっかりに依存しているな、というものも。

松村:かなり偏ってるよ。偏ってるし、使っているつもりでも、そこに全然、注意深くなかったりする。

――関係ない話かもしれないのですが、先日、ジャズの生演奏を聴きながら食事ができるバーに行ったんです。そこで思ったのですが、「音楽を聴きながらおいしいものを食べると、幸せ度が倍増するな」と。それは聴覚と味覚を同時に満たしたから、幸福感が上がったのかな、と思ったんですが、どうですかね。

松村:ほとんどの人がそう感じるんじゃない? アルコールと、食べ物と、音と。しかもその時の音楽が、ジャズっていうのが、影響強いわけ。ジャズって自閉的快感に走っていかない? つまり「これっていったい何が言いたいの?」みたいな。ただ聴き入る、というようなものが多いから。

――確かに、パーッと解放される感じではないですね。

松村:こもる感じだよね。ジャズって、出発点として人種差別があった時代に、狭い地下のライブハウスでやっていたわけでしょ。洞窟とあまり変わらないような。だからジャズの表現は超室内的なところがある。「こもっていく」感じの快感が、食べ物とくっついちゃうわけだからね。

――なるほど。それが、幸せ感の正体なんですかね。

松村:だって食事の時には「食事の音楽」ってあるじゃん。ヘンデルとか、全然おいしくないと思うよ。
※注 ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル……17世紀バロック音楽の作曲家

――ちなみに12感覚論では、味覚は五感の帝王・牡牛座じゃないんですね、意外です。

松村:味覚は魚座だね。味覚ってごまかされるから。魚座って幻影でしょ。私の場合、目をつぶると、何の食べ物かわからなくなる。じゃがいもとゆで卵の区別がつかない。

――似てますかね!? あ、でも、黄身の感じは似ているかも……ですね(汗)

松村:目を閉じて、鼻をふさぐとさらにわからなくなる。

――ちなみにこの12感覚、すべてをフルに使った方が、人間としてはより完成形に近づくんでしょうか?

松村:完成形というか、当然、12感覚で感じられる「全生活を楽しんでいる」ということにはなるよね。あと、もう1つはレベルを変えられる。

――感じ方のレベル……が上がると、どうなるんでしょう?

松村:12感覚をちょっと鍛えると、別世界のものも受け取れるようになる。例えば、この間、私、夢の中で手を掴まれたんだけど、結構、痛いわけよ。そういうのは「触覚」としてはっきりわかる。

―ここまでくると、どちらが現実なのか夢なのか、わからなくなりますね。

松村:なるよ。匂いも判別できるようになるし。音も聞こえるし。


自分がどの感覚を重視し、どの感覚を意識していないか


――ちなみに「今、自分がどの感覚が強いか、どれが衰えているか」というのはホロスコープを見ればわかるのでしょうか?

松村:ホロスコープを見なくても、日常でチェックすればわかると思うよ。例えば、私は水瓶座の月が原因で、嗅覚が割と過敏なの。外歩いている時に、女の人が目の前にいると、絶対に風上に移動する。近くにいると柔軟剤とか香水の匂いがぐわーっときて、頭痛を起こすから。あと、ロンドンに降り立った時に「腐敗臭がする」と言ったんだけど、それがどこから来ているのかと思ったら、ウェストミンスター寺院。お墓じゃないですか。あとは大英博物館がそれに拍車をかけている。その香りがロンドン中を埋め尽くしているんだよね。

――先生の場合は、月星座が影響しているということですか?

松村:月に限らず、水瓶座が強い人はそうなるんじゃない? でも水瓶座の匂いって、「物質的匂い」と「気配的匂い」があるから。香水とか柔軟剤とか、物質的なのは物理的な匂い。そうではなくて気配的匂いは「嘘くさい」とか、「胡散くさい」とか。あれも一応、嗅覚に入る。

――自分が日常でどの感覚に意識が向いているか、ホロスコープは関係なしに、まずはチェックしてみるといいかもしれませんね。


「自分が何を好きか、わからない」という病


ー―例えば、今、「自分が何が好きかわからない」という方が結構いるのですが、好きも嫌いも「感じない」という意味においては、「感覚が鈍っている」ということなのかもしれないですね。

松村:そういう人、すごく多いよね。講座の鑑定でも「自分の生きる目的って何ですか」「自分の好きなものって何ですか」とか。「好きにすれば」「やりたいようにやれば」としか言いようがないんだけど。

――そんなバッサリと……(涙)。そういう意味では、12感覚をちゃんと活性化させたら、自分の好きなもの、嫌いなものも、ちゃんと出てくるでしょうか?

松村:それなら、消去法でやってもいいと思うよ。12の感覚のうち、1個ずつ、「これは得意じゃない」とか「これは別にどっちでも」「あってもいいけど、なくてもいい」と消していって、何が残るか。例えば私は音楽を聴くけど、それは聴覚を重視しているから。逆に味覚はほとんど重視していない。だって今、食べてるの、ヨーグルトとキャベツだけだし。

――えええ!? なぜキャベツなんですか。米は食べないんですか。

松村:米食べない。今はキャベツだけ。

――炭水化物はゼロですか。

松村:ゼロ。ただ同じものを食べ続けるとアレルギーになるから。ある時期、ずっと納豆を食べてたら、納豆を消化しなくなった。

――もしかしたら「食べ続ける」のが、よくないのかもしれませんね(汗)

松村:身体がね、拒絶を起こすみたい。ある線を超えると。



~本当に続くの!?  連載第3回へ続く~


★松村 潔先生のWEB記事はこちら!
第1回 嫌がる松村先生に、無理やり木星の話を聞いてみました
第2回 人間の感覚は「五感」どころか「十二感」ある!?
2019年は「地球星座」視点で考えてみる
【本誌番外編】惑星年齢域で描く星の自分史


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監修/松村潔
1953年生まれ。占星術、タロットカード、絵画分析、禅の十牛図、スーフィのエニアグラム図形などの研究家。タロットカードについては、現代的な応用を考えており、タロットの専門書も多い。参加者がタロットカードをお絵かきするという講座もこれまで30年以上展開してきた。タロットカードは、人の意識を発達させる性質があり、仏教の十牛図の西欧版という姿勢から、活動を展開している。