「開運ライフ」とは・・・

日本人は昔から、その季節や一年の出来事のそのたびに、運命を開くおまじないをしていました。
それが年中行事やお節句となって今日に伝わり、今でも様々な形で幸運を引き寄せる、縁起担ぎのおまじないとして伝わっているのです。
このマーク・矢崎の開運ライフは、そんな今日に伝わる様々な、幸運を引き寄せるおまじないを紹介しながら、みなさまの未来や人生を幸運へと導く、開運ライプを提案するものです。
さあマークと一緒におまじないを生活の中に取り入れて、幸せな開運ライフを始めましょう。


亥の子の祝い
10月31日はハロウィンで、ヨーロッパやアメリカでは子供たちがお化けの扮装をして家々を巡り、「トリックオアトリート」いう呪文を唱えては、家の人からお菓子を貰うという風習が行なわれました。実はこのハロウィンと同じような風習が、日本にもあるのをご存じでしょうか?

毎年亥の月の最初の亥の日を亥の子の祝いと言います。隣の中国では、この日の亥の刻(午後9時~11時)に、大豆、小豆、ささげ、胡麻、栗、柿、糖(あめ)などの七種の穀物を入れて作った亥の子餅を食べると、一年間無病息災でいられるとされていました。その風習が我国に伝わり、平安時代には宮中行事とされていて、あの紫式部の書いた源氏物語の中にも登場するのです。



この亥の子の祝いは猪の多産にあやかって子孫繁栄と猪の子のウリボウの元気て快活なところから無病息災を願った子供たちが無事に成長できますようにという風習でした。それが子供たちだけでなく万人の無病息災を願う行事として伝わったもので、11月の年中行事の七五三の起源の一つとも考えられるのです。

またこの日は、春に山から降りてきた田の神様が山へ戻る日ともされていて、農村では山の神送りの儀式が行われ、五穀豊穣や収穫への感謝のお祭が盛大に執り行われました。後にこの山の神送りと亥の子の祝いが一緒になって庶民の間にも広がり、「亥の子祭り」として今日に伝わってきているのです。

「亥の子祭り」は今でも西日本の各地で執り行われている行事で、2023年は11月の1日に当たります。この日の晩に子供たちが集まって家々をまわり、紐で吊るした亥の子石や、藁を束ねた棒で、足で強く地面を叩きながら、「亥の子、亥の子、亥の子の祝いせぬ家は、鬼産め、蛇産め、角の生えた子産め」と、脅しの言葉を囃し立てるのてす。すると家の人は子供たちに亥の子餅やお菓子、そしてお小遣いを手渡すという、まるで西洋のハロウィンの夜のようなお祭り行事が行なわれるのです。

<引用:「ふるさとあそびの事典」東陽出版株式会社>


子供たちが石や藁束や足で地面を叩くのは、昼間の山の神送りのお祭りで田の神様が居なくなった後の田畑に、荒ぶる神や悪霊や魔物が入り込まないようにというおまじないの儀式です。あの相撲で力士が四股を踏んで土俵を清めるのと同じ働きがあると言われます。そして子供たちは午後9時までに集会所に戻り、そこで家々からもらった亥の子餅を食べて、一年間無病息災で無事に大きく成長できるようにと願うのです。

この山の神送りとその晩の「亥の子祭り」は、東日本では十日夜(とおかんや)と呼ばれ、毎年11日10日の夜、子供たちが家々をまわって地面を叩いては、亥の子餅の代わりにあんころ餅をもらう風習として今でも残っています。

東西日本を問わず、山の神様がいなくなった土地を清めてまわるのが子供たちの役目というのは、子供は七歳までは神の内で、神様と同じ穢れのない存在。だからこそいつ居なくなるかも解らない危うい存在だという、子供の無事な成長を喜び祝う、七五三の起源に繋がる考え方だと思うのです。


亥の子の祝いの開運作法(おまじない)

亥の子祭りの晩、玄関先の地面や床を、右足、左足と交互に強く足で踏みしめながら、「亥の子、亥の子、無病息災、福徳円満、金銀財宝、願望成就」と、願い事の四文字熟語を唱えて念を込めましょう。
その後、午後9時~11時の間に和菓子屋さんで買った亥の子餅を食べれば、三つ重なった干支の亥のご利益で、無病息災はもちろん、あなたの願いがきっと叶うはずです。

もし十日夜におまじないをするなら、呪文の「亥の子」を「十日夜」に変えて、「亥の子餅」を「あんころ餅」にすると良いでしょう。

また旧暦の亥の子祭りは11月13日で、旧暦の十日夜は11月22日です。もしも新暦で開運行事ができなかった時やもっと念を込めたい時は、旧暦にも開運行事やおまじないの開運作法をすると良いと思います。



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20歳で月刊少女誌『マイ バースデイ』(実業之日本社)におまじないや占いなどの連載を開始。『いにしえからの贈り物 お守り・厄除け・おまじない』(説話社)をはじめ著作多数。『毎日新聞』の占い欄ほか、ウェブサイト、携帯サイトの監修も多数。明治時代の実業家・易断家の高島嘉右衛門(たかしまかえもん)の玄孫(やしゃご)にあたる。日本占術協会専務理事、日本占術協会認定占術士。
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